多分、ネタバレになるので、要注意。
冒頭映像が公開されているけど、全体的にはこの雰囲気のまま進む。
しかしながら、物語が進行するにつれ、CG、VFXのボリュームが増大していって、せっかく丁寧に製作したコスチュームの質感が台無しになっている(気がする)。
特に空を飛んだり、超人的なアクションは、スパイダーマン的にCGのオンパレード。
シン・ウルトラマンは地球外の生命体だったから、あえてCGでもよかったんだろうけど、仮面ライダーは人間がつくった改造人間たちだ。
仮面ライダー The First で出渕裕がリファインしたデザインを彷彿させる(実際、出渕氏がデザイナーとして参加)秀逸なキャラも、CGで動かされるとかえって迫力がない。
個人的にはバイク用のヘルメットが変形して仮面ライダーのヘルメットになったり、アゴというかフェイスシールドの部分がシャキンと現れるギミックは必要なかった気がする。
そういう意味では、変身ギミックをあえて省略したThe Firstの方が演出的には成功していると思う。
あとは、セリフの演出もあるんだろうけど、聞き取れない箇所が多くて、結局ショッカーの目的と活動内容、地に足がついていない感じがして、ラスボスとの戦い終結も「え?そんなんで終わるんだったら、もっと工夫したらよかったんじゃないの?」
「ここまでこんな苦労する必要あった?」
と思うわけですよ。
他にも怪人をたくさん登場させたせいか、落ち着かない。
俳優陣も豪華でクレジットみても「え?どこにいたの?」と思ったほど。
好みもあるのだろうけど、ヘルメット(仮面)を被ることによって、怪人もライダーたちも人間から人間とは異なる存在になる、という図式をもう少し強めに出しても良かったんじゃないかと。
あとは俳優陣の演技がよかった。
池松壮亮の朴訥とした本郷猛も良かったし、後半で肩を震わせるシーンは最高だった。
庵野監督は、ナイーブなヒーローを描くのが巧いのかもしれない。
あとは、もう浜辺美波のオンパレード。
浜辺美波に惚れ込んだ監督が、もう権力をめいっぱい使って浜辺美波を全面に押し出している。
もはや浜辺美波のための仮面ライダーといっても過言ではない。
クセのあるセリフ回しも思いのほか違和感なかったけど、げっぷが出るほどのCGは要らなかったんじゃない?