ブログ版 空冷Zとの戦い

Kawasaki Z1Rに関するブログ?

義援金じゃ、足りないそうです

もろに家が被災した友人と会う機会があった。
倒壊こそしなかったけど「どうすんの?」という問いに「自分としては、もう、ここには住みたくない」と答えた。
そりゃそうだ。
家のすぐそばには漁船が横たわり、家の敷地内には何体もの遺体があがったんだから。
「でも、こんな危険な場所、塩水につかった田畑、誰も買わねえべなあ」と、彼は呟いた。

つまり、ここから移り住む、という希望はあっても、実現することは不可能なのだ。
義援金だって、いくらの配分になるのか分からない。

たとえば「今回被災された方へ。政府(または自治体)が、ここに新しい家と土地を用意しましたので、こちらに住んで下さい。ほぼ、あなたが今まで住んでいた家と同じ規模です。で、仕事も見つからなくて大変な人には、とりあえず300万円くらい差し上げますから、心の傷をいやしながら、ゆっくり先の事を考えて下さい」というくらいでなければ、話にならない、とのこと。
ということは、あと10倍くらいの義援金が必要なのか…

彼は、こうも言う。
「本当なら、生まれ育ったこの街を復興させるための仕事がしたい。今の仕事を否定するわけではないけど」

つまり、こういうことだ。
がれきの撤去でも、どんな汚れた仕事でも、ふるさとのためなら、オレはやるぞ、と彼は言う。
でも、彼だって、一家の主だ。奥さんもいれば、こどもたちもいる。
自分も、家族も生きていかなければならない。
無償ではできないから、いま出来る精一杯のことをやっている。

いま、がれきの撤去をやってるのは、自衛隊、土木関係の業者とボランティア。
作業を間近で見ていると、もう、本当に頭が下がる。
涙が出るくらい、すごいです。
現場は、そりゃあ、壮絶な、ちょっと気を抜いたら、本当に吐きそうになるくらいのニオイ。
自分もヘドロにズッポリはまってきたので、よく分かる。
車なんか、いまだにニオイが取れません。

話がそれた。
とにかく、大変な作業ですよ。
「給料要らないから、逆に日当分を払うから、基地で内勤にしてくれ」、と言いたくなるような処で自衛隊の方々は頑張っている。だけど、それはほら、ちゃんとお給料が出るんです。

ボランティアもありがたい。
世界中から来てくれてありがとう。
でも「もう無理だ」と思ったら、彼らは帰ってもいいし、帰ることで誰かに咎められるわけではない。
そこに、責任はないのだから。

だから、前にも言った通りなのです。
資本力のある個人、法人・・・わかりやすくいえば、何百万円、何千万円、何億という大金を動かせる人は、寄付ではなくて、被災地に仕事を作ってくれ、と言いたいわけ。

もし、日当1万円でも出れば、彼をはじめ、他の人々も朝から晩までやりますよ。
しかも、ふるさとの復興だもの。
モチベーションだって高いに決まっている。

募金は、1円でも100円でも1万円でも、それぞれが、それぞれの範囲内で頑張ります。
なかには、オレの知っている方で、もうビックリするような支援をしてくれた人もいますけど。
とにかく、普通の人が一生かかっても、稼ぎだせないくらいのお金を寄付する人は、ちゃんと使い方を考えなければ、死に金になります。

タレントやアイドルが炊き出ししてくれるのは、物資を運んでくれるという意味合いだけではなく、人々を喜ばせ、勇気をくれるという意味からすると、プライスレスだと思う。

けど、ぜいたくをいえばね、これも前に言ったけど、彼らタレントの影響力をつかって、地元の企業を再生してほしいんですよ。
AKB48がひとりひとり、笹かまぼこサインした何十枚入りのセットをつくったら、どれだけ売れますか?
どれだけ、忙しくなりますか?
どれだけ、人を雇えますか?

震災支援でグッズをつくるなら、被災地の会社を使ってちょうだいよ。
なんとか、首の皮一枚で、仕事が出来る会社だってあるわけだから。
生産、製造、受発注業務、仕事にあぶれちゃった被災者を雇ってくれよ。

ジャニーズのタレントが被災地の農産物、水産物、加工品を買いつけて、東京、大阪、名古屋、福岡、そのほかの都市で直売やったら、どれだけ売れますか?
DASH村のかわりに、東北各地の田畑を、全員で耕して、種を植えて、収穫して、売ってちょうだいよ。

被災地の我々が、仕事をして、お金を稼いで、それをまた使って…ということをしなければ、いつまでたっても、立ち直れない。
金をもった人たち、影響力のある人たちには、そういうお手伝いをしてほしい。


実は、そういうのが大変なのは分かる。
寄付とか物資の支援っていうのは、その瞬間だけの苦痛というか、献血みたいなものだから。
オレが望んでいるのは、介護とか介助とか、中長期の支援だから。

これ、絶対に大変だよ。
金も出す上に、使い道も考えて、マネジメントして、日常にそれがつきまとうんだから。
自分の生活のうえに、被災地、被災者の生活が乗っかるんだから。
お金の問題じゃなくて、多分、面倒くさいと思う。
心に重くのしかかると思う。
ともすれば、売名行為だ、なんだ、と叩かれるかもしれない。

でも、冒頭の友人の言葉を読み返して欲しい。

「本当なら、生まれ育ったこの街を復興させるための仕事がしたい」
じゃあ、あんたががれきの撤去作業に従事してくれたら、日当一万円出しますよ。
でも、がれきの撤去なんて長くても数年で終わるでしょう。
その先は、どうするんですか?
多分、たいした技術も身につかないし、身体だって悪くするかもしれない。
がれきが片付いた時、また同じように仕事にあぶれるかもしれない。

そういう声もあるかもしれない。
「だとしても、やりたい」
と、彼は言うんです。
学校卒業したばかりの、世間知らずが言っているんじゃないよ。
いい歳こいた大人がそういう風に思っているんですよ。
そして、そう思っている人は、少なくないはずです。

大人の事情で、いろいろ難しいのは百も承知。
人間、できない理由を探すのは上手です。
オレもそうだけどね。

また、さらにTAKEDA宛に義援金が集まるようなので、最大限、有効に遣わせて頂きます。