ブログ版 空冷Zとの戦い

Kawasaki Z1Rに関するブログ?

【義援金は、まるでメダルゲームのジャックポットだ】

挑戦的なタイトルで恐縮ですが…
まずは、嬉しいニュース。

石巻市水産加工業を経営する社長から電話が。
なんと操業再開。
まともに津波にブッ飛ばされた地域で、ですよ!
茶店で打ち合わせ中だったんですけど、立ちあがっちゃいましたね(笑)。

しかし、喜んでばかりではいられない。
問題もある。
たった1軒が再稼働しても、1軒のためだけに物流は動いてくれない。
震災前より生産量も落ちるから、当然、運ぶ量も少なくなる。
かといって、運送料を倍払えるかというと、そういうこともできず。

もう一点は、営業面。
100日近く、レギュラーを外れた商品を小売業界がはたしてもう一度置いてくれるか、ということ。
スーパーの白いトレイに載って売られている、さまざまな水産物…あの多くが中小の水産加工会社が手掛けたものを、スーパーがバックヤードで包装したものだ。
つまり、A社がダメなら、すぐにB社に乗り移れる、というわけ。
たとえ心情的には「震災で可哀想」だとしても、一度ひっくり返されたものを取り返すには、相当の労力が要る。
マイナスからのスタート、と一言で報道されているが、言葉の裏に隠された現実は、こんなにも厳しいのだ。


先週くらいから、操業再開に向けて動いている企業から、事業復旧の支援依頼があった。
打ち合わせの為に現地入りしたのだが、堤防が決壊したため、集落は遠浅の海と化している。
がれきが取り除かれ、見晴らしがよくなった分、見たくない光景が拡がる。

社長いわく義援金とは別に、自治体に寄せられたお金は1億5千万円にのぼったという。
それをどうするか。
自治体では、住民で均等割りすることを検討しているという。
1人当たりの額は、1万円。
もっと、他にやれることがあるのではないかと、受け取る本人たちがため息交じり。

義援金は、相変わらず回ってこない。
よこせ、よこせと騒ぎたてるつもりはないが「仮払い」という発想はないのか。
最初から「最終形」として、綺麗に整えようとするから、話がまとまらない。
どうしたものかと、被災者ではない人間たちが、安全で、快適な場所で、それこそ食うに困ることなく、3か月もの間、額を寄せ合っているのは、もはや犯罪的ともいえる。
何かにつけて「ここ(被災地)にきて、同じ目にあってみろ!」という声には、いささか短絡的で感情的な発想だと思ったこともあったが、そういう環境で、被災者の立場に置かれながらでないと、アイディアも行動も生まれないのかもしれない。

国会も、被災地のど真ん中で開けば、ずいぶん物事が早く決まるのではないだろうか。
津波で流されて、場所もたくさんあることだし、電気も使わないから、節電にもなる。
与野党でやり合う、政治屋同士の「被災地にどれくらい居たか自慢」という無駄な応酬もなくなるし。
政党助成金交付金)で、炊き出しでもやりながら、地域住民をオーディエンスにしてやればいい。

結局、義援金ジャックポットのようにプールされているおかげで、炊き出しをしなければならなかったり、支援物資を集めなければならなかったりと、二重の支援が必要になっている、このおかしな状況。
各地の方々から、有形無形の支援、義援金を送って頂いているわけだが、そういう方々も「なんだ、せっかくお金を出しても、必要な人に渡らないんだったら、もうやめよう」という気持ちも生まれてしまう。
はやく、ジャックポットを開放してほしい。


前にも書いた、多賀城市のプチ・トリアノンへ行ってみた。
営業再開には、まだ時間がかかりそうだが、店のガラスに張られたメッセージは、焼け野原に芽吹いた小さな双葉を思い起こさせた。

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