ブログ版 空冷Zとの戦い

Kawasaki Z1Rに関するブログ?

塩竈市の尾島町

昔はどの街にも「飲み屋街」があるかと思っていたけど、必ずしもそういうわけではなくて、一定以上の歓楽街を擁する街となると、なかなかないわけです。

いまや人口6万足らずの塩竈市に歓楽街があるのは、奇跡に近いような気もするのですが、200カイリ以前は沢山の船と乗組員がやってくる港町だったから、それはそれは賑やかだったという。
死んだ親父いわく、英語が喋れて、外国船員の通訳をすれば、飲み代がチャラになったというから、景気もよかったのだろう。

ワタクシが尾島町に足を運ぶようになったのは、当たり前だけど大人になって、ようするに自分のお金がある程度自由になってから。といっても、まだ学生だったし、板前の真似ごとや、あちこちで日雇いのようなことをして作った金だから、まともに働いている連中のようなまとまった金をもっているわけじゃない。

給料取りになった連中は、アニキ風を吹かせるように、学生&プータロー組を飲みに誘っては、我が物顔でボトルを開ける。普段、居酒屋どまりの連中は、大人びちゃった同級生に驚きと憧れを抱き、一方の給料取りたちは、所在無げな同級生に得意げな表情だ。周りから見れば、どっちもまだまだガキんちょなんだけどね。

その頃、尾島町には、ある面白い店があった。
確か、名前はマーメイド…だったような気がする。国道45号と尾島町のメインロードが交差する辺りだ。

そこのママ、多分、40代半ば。
女手ひとりで娘を私立のお嬢さん学校に通わせる苦労人なんだけど、テンションがあがると、突然、飴玉を口に入れ「ワタシのアメなめてええ!!」と叫び出す。
樋口加奈子じゃないけど、お歳をめしても美しいママなら、キスも歓迎なんだけど、まるで関取のような体格と今思えば、朝青竜のような顔立ち。
たとえ泥酔していてもキスだけは勘弁、と客は蜘蛛の子を散らすように逃げまどう。
だが、たいてい、誰かが店の片隅に追い詰められ、威圧感のある身体で抑え込まれる。
そのあとは、書くも涙なので、措くことにする。

そんなママだから、店の女の子たちは顔立ちは清楚なのに発言は、本当に下品。
天使のような顔をした女の子が、田舎のオッサンがオオトラになっても言わないようなことを平気でまくしたてるのだから、始末が悪い。

でも、つまらないと思うことは一度もなかった。
結局、ゲラゲラ笑って、楽しんで変えるのだ。
ちなみに、最近のキャバクラは本当につまらない。客のこっちが女の子を楽しませないと話が盛り上がらず、店を出た後は、どっと疲れる。何しに行ったのか分からない、と思うのはワタクシだけ?
あの頃、営業のメールも何もなかったけど、客とホステスは、もっと近しい関係だった気がする。

で、話を尾島町に戻す。
その店もいつの間にかなくなり、他の店もいつの間にか消えていった。
昔はそれなりに新しい店も出来てはいたが、いまはどれほどの店があるのだろう。

カワイイ女の子がいる店がいくつもあったし、ボッタクリの店もあった。
ヤクザがケツ持ちの店もあったから、ハメを外し過ぎて説教を食らうこともあった。
でも、いつだって楽しかったし、スリリングだったし、騒いだ後、明け方近くまでやっているラーメン屋で、本当のところ美味しいのか美味しくないのか分からないラーメンを食べて帰るのだ。
そのラーメン屋も、すでになくなってしまった。
景気づけで一番最初に行くのにふさわしい、お好み焼き屋も閉店した。

ま、それもしょうがない。
ケセラセラ

その代わりといっちゃなんだが、開店数時間で売り切れになるケーキ屋だって生まれたし。
そうやって、新しいビジネスがどんどん生まれてくれれば、いいんだけどね。

つか、自分がやれ、という感じなんですけどね(笑)。