ブログ版 空冷Zとの戦い

Kawasaki Z1Rに関するブログ?

Rest in Peace TAIJI

元Xのベーシスト、TAIJIが亡くなった。

XがX-JAPANに改名する際に脱退したため、Xが好き、とかロックが好き、という一部の層でなければピンと来ないかもしれない。
ブラバン時代はチューバ、バンドではベースを弾いていたから、曲を聴くときはついついベースの音粒に耳を傾けるという、バンド青少年にありがちなことやってたわけだが、TAIJIのベースを聴いて「日本にもこういうベースを弾く人がいるんだ」と驚いたのは今でも記憶に新しい。

バッシング覚悟で書くのだが、日本のロックで「聴き惚れる」ようなベーシストに出会ったことがなかった。
そりゃあ、あんたのレパートリーが少ないからだと言われそうだけど。
ロックバンドのベーシストは、単調にビートを刻むようなリフしかなく、バンドの添え物といった雰囲気だった。
むしろ、演歌やポップスのベースの方が素晴らしいリフを奏でていたと思う。
ウソだと思うなら、未来少年コナンの主題歌を動画で拾ってみるといい。

曲調もあるんだろうけど、海外には存在感のあるベーシストがたくさんいる。
古くはThe Whoジョン・エントウィッスル、Xの数年後に結成されるMR.BIGビリー・シーン(当時はデビッド・リー・ロス?)その他たくさん。

だからといって、TAIJIが彼らのようにフロントマン顔負けのパフォーマンスとギミックに凝ったリフばかり、弾くわけではないし、そこが魅力というわけでもない。

しっかりとリズムと低音を支えながら、しかし埋没することなく存在感を示している。
これもまた双方のファンからは「違うんじゃねーの?」と怒られそうだが、プリンセス・プリンセスの「M」とXの「ENDRESS RAIN」のベースにおける役どころは非常に似ていると思う。高音低音織り交ぜたイントロのリフは、同じニュアンスなんじゃないかと。

左右の腕にTATTOを入れ、PVではバイカーよろしくフロントフォークを寝かせたハーレーダビッドソンに跨り、まさにアメリカン・ロックの正当な後継者といったTAIJIが、プリプリと同じだって?

同じとはいわないが、ロック一辺倒の人ではないと思った出来事があった。
以前、何かの音楽番組で司会者とトークしている時、司会者が田端泰夫の名前を持ち出し「バタヤンが」といった時、TAIJIだけがウケていたのだ。
そんな小さな出来事だったが「きっと、この人は、いろいろな音楽を聴いて、否定することなく、自分の音楽の肥やしにしている。見かけよりも真面目で、きちんとした人なんじゃないか」と感じたのだ。

TVの件が先なのか後なのかは忘れたが、Xの二枚目のアルバムに入っていたバラードで、彼はアコギを弾いている。アコギといっても、フォークではなく、ナイロン弦のクラシックギターだ。
二人のギタリストを差し置いて、美しい調べをつま弾く姿に「やっぱり幅の広い人だ」と確信した。
以来、好きなベーシストとして、TAIJIの動向を追っていた。

チェックしていただけではない。
わが、楽団四季のベースアレンジは、TAIJIの影響大であるし、レザー、デニム、シルバーの組み合わせもTAIJIから学んだといっても過言ではない(残念ながら、彼のような着こなしは出来なかったが)。

ラウドネス、DTRと順調に活動していたが(していたようにみえただけなのかもしれないが)、ある日を境にTAIJIは表舞台から姿を消した。
病気、ケガ、いろいろなことが身の回りで起きていたようだが、ほかのことについては、どこまで本当のことなのかは分からない。
だが、昨年、X-JAPANのライブに登場したTAIJIの姿をみて、他人さまのことながら胸をなでおろした。
ちょっと胴周りがふくよかになっていたけど、ちょっとうつむき加減に横を向いて演奏するスタイルは変わっていなかった。

日本を代表するベーシストが、表舞台に帰ってきた。
きっと、これからも、たくさんいい曲を作ってくれるだろう、と。
そんな時だったからこそ、非常に残念である。

多分、当時はこういう曲が好きだったんだろうが、Xのイメージからは遠い。

フォークギターではなく、クラシックギターを選ぶところが、にくい。

ドラムと一緒に練習したっけ・・・