ブログ版 空冷Zとの戦い

Kawasaki Z1Rに関するブログ?

話を置き換えるとよく分かる

ワタクシが住む宮城県でのお話。
低迷する水産業を何とかしようとしています。
この手の話は珍しくないし、実現すれば助かる企業も多いのでしょう、きっと。

では、これをバイク業界に置き換えてみましょう。
バイクが売れなくてメーカーは大変。
何とか売上を伸ばそうと、技術革新や価格抑制で頑張っています。
爪に火をともす、血のにじむような努力を重ねています。

でも、その努力が、ライダーでもあるワタクシにどう影響するのか。
多分、個人的には直接の恩恵はない気がします。
特にワタクシの場合は絶版車に乗っており、純正品もどんどん無くなっておりますし(新車が売れることで、そういう在庫の維持に役立っている、ということもあるでしょうが)。

いまのバイクに不満はないですし、極端な話、政府が「平成20年以前のマシンには乗るな」と、北朝鮮のデノミにも匹敵する強硬策を敷いたとしても、買い替え需要は一過性のものでしょうし、平成20年以降のバイクを抱える中古車屋が儲かるだけのような気がします。
それよりも、結果的にライダーの数はガクンと減るでしょうね。

機体のイノベーションも購買意欲を刺激する価格改定も重要ですが、それが必ずしも「勝ち組」にならないことは、悔しいかな、外資系のハーレーダビッドソンジャパンが実証しています。
「あなたがHDに乗ると、こんなことができますよ。こんな楽しみがありますよ」というものを上手に提案している。

iPadとかiPhoneにも共通性を感じます。
何が面白いのか、どんな楽しみがあるのか、ということを繰り返しアピールしている。
でも、日本企業がそういうのを造ると、何メガピクセルのカメラ、何時間連続で動く、とかねスペックを全面に押し出してしまいます。理解できるかどうかは別としても、明確な数値で示されることで安心感を抱く国民性なのかもしれませんけど。

バイクもインジェクションになろうが、ヘッドライトがLEDになろうが、ETCが標準装備になろうが、そんなのに狂喜乱舞するのは、オタクだけです。
その昔、北海道で出会ったメタボ体型のライダーが「オレのバイク、ボルト類は全部チタンにしたんだぜ」と得意げだったくらい、滑稽で無意味だと思います。

国内4大メーカーも、もう少しソフトを充実させてはどうでしょう。
こちらのサイトでも紹介されていましたが、こういう街をメーカーが支援するとかね。

サーキット併設のレジャー施設は素晴らしいけど、とても限定的でしょう。
もっと身近な、日常的なものを…
例えば、メーカーの営業所や直営店の敷地内にライダーハウス、BBQエリアをつくるとか、ツーリングライダー向けの観光案内所的な役割を果たすとか。大掛かりなものなら、メーカー単独もしくは合同でキャンプ場を運営するとか。

そういう環境を整えてやらないと、いくら性能がよくても、安くても(特に安さには限界がありますから)、ライダーの数は減る一方ではないかと思うのです。

水産業も同じことで、じゃあ財政支援、つまり税金によって、水産業に携わる方々の経費負担が減り、減った分をスーパーが着服しないことを前提に、無理なく消費者価格が20%下落したとしましょう。

そしたら、我々日本人は魚を食べるようになりますかね?
20%だから食べないのであって、30%なら食べるようになりますか?

残念ながら、ならないと思います。
バイクの時と同じように、システムを変更しないと、そこにかかるコストを軽減しても、延命措置にしかならないと思います。

もっと魚を食べてもらうようにすれば、価格を落とさなくてもいいのです。
同じマグロでも、近年テレビでも有名になった「大間のマグロ」は、相変わらず高値で推移しています。

鮮魚、しかも特殊な商品と水産加工品を一緒にするな、と言われそうですが、食卓にも滅多に登場しない様な製品を造り続けても、先は見えています。

日本人が食べないなら、それを食べてくれる国で食べてもらうのもよいでしょう。水産加工品の多くが中国をはじめとする東南アジアで生産されておりますが、現地の人々はまだその味に出会っていません。

made in Japan もしくは from Japan の美味しいものは沢山あります。
日本で単価が合わないのであれば、海外で現地の人々へ食べてもらうものを造ってもいいでしょう。

そして、そういうことをやろう、としている会社にこそ「税金」を使うべきだと思うわけです。
二輪業界だろうと水産業界だろうと。