ブログ版 空冷Zとの戦い

Kawasaki Z1Rに関するブログ?

続編とリブート

続編話題作といえばトップガン・マーヴェリックでしょう。
自分も2回、映画館へ足を運びました。

アメリカ・ファーストになった米国が、はたしてあんな作戦を実行するかというと、現実性に欠けるというか、日本の警視庁公安部が実は腕利きの情報員、工作員、諜報員の集まり、というくらいリアリティがないんだけど...

強いアメリカを取り戻そうという支持層にはウケるんでしょうね。

 

長い時間をおいて作られた続編として、個人的に期待したのが
男はつらいよ お帰り 寅さん」。
ちょっと前だけど、これもまた映画館へ行き、配信でも何度か観ました。

寅次郎ハイビスカスの花 特別篇が実質的なファイナルかと思っていたんだけど、満男が主人公となり、過去のシーンを織り交ぜながら、満男と満男にとってのリリーさん、泉ちゃんと再会する。

どこまで本心だったかわからないけど、山田洋次監督は、49作目で満男と泉ちゃんを結婚させて大団円としたかったらしいんだけど、本作では満男と泉ちゃんの関係は「過去のもの」となっている。

まあ、それはいい。
大恋愛が必ずしも結実するとは限らない。
けど、あれだけ母親に縛られて生きてきた泉ちゃんが、はたして単身ヨーロッパに渡り、なおかつ外国人と結婚することが出来るだろうか?
東京と名古屋の距離すら耐えられなかった母親ですよ?

人の人生なんかどうなるかわからないけど、満男は小説家になり、泉ちゃんは国連難民高等弁務官のキャリア、というのは飛躍しすぎ。
個人的には、満男には靴販売会社のセールスマンとして中間管理職になり、諏訪家に嫁いだ泉ちゃんは、タコ社長の印刷会社の経理や事務員として働きながら、慎ましやかながらも幸せに過ごす、それを寅さんが揶揄しながらも暖かく見守る、そんな姿が見たかった。

てのは、あくまで個人の感想だし、そんなことを言うなら、そんな話を自分で作ればいいわけで。
ただ、やっぱりどうなんだろうな、と思うのは、泉ちゃんの実父。
寅さんをずっと観てきた人ならわかる通り、泉ちゃんの実父は寺尾聡だ。
朴訥とした物静かな人で、おそらく夏木マリとは性格が合わなかったのだろう。
宮崎美子が演じる、これまた大人しそうな薬局の女性とくっついてしまったのも、なんとなく頷ける。

なのに、今作では橋爪功になり、性格も「家族はつらいよ」の主人公が悪い方へ年を取ったようなキャラとなっている。
寺尾聡が橋爪功になったのは良いとして、何であんな風になるか。
寺尾聡をキャスティングできなかったせいなのかわからんが、あのエピソードが物語のキーにはなっていないし、満男が相変わらずお人よしだった、というキャラ属性を浮き彫りにしただけだった。
いやいや、泉ちゃんとお母さんの衝突があったじゃないか、というかもしれないけど、母親を置いて世界中を歩き回る娘、それを許した母親がいまさら白々しくない?

と意地悪な感想を抱いてしまった。

結局、満男と泉ちゃんの邂逅は何だったのか。
編集者、池脇千鶴と泉ちゃんとの間に揺れるわけでもないし、最後のキスシーンも泉ちゃんをイヤな女に描いただけだった気がする。
満男は晴れやかな気持ちになって別れたのかもしれないけど、こっちはモヤモヤばかりが残った話だった。

渥美清がいないのに、無理やり作ったのは「これをやればヒットする」のが分かっていたからだろう。
現に興行収入的には、それまでの作品と似たような感じになっている(収益性までは分からないけど)。

映画大国アメリカも、こんな感じで続編やリブートが多く作られ、ファイナル感を出した作品ですら、キャラクターを一新して続編を作り続ける。

割と好きだった「トランスフォーマー」も映画はもちろん玩具が売れたから、いろいろと作ったんだろうけど、途中で話を広げ過ぎたのか、いったい誰がプロットを作っていたのか分からないが、素人目から見てもおかしい、となったあたりで広げた話や設定を回収できずに終わった気がする。

 

マーケティングという観点からみれば、明治・大正うまれの年配者がまだたくさん生きていた頃、各局が時代劇をつくるのは当然だし、ベビーブーマーたちが大人になり、お金を自由に使えるようになったころを狙って、ゴジラウルトラマン仮面ライダーというキラーコンテンツをリブートしていくのもまた自然な流れなのだろう。

けど、それじゃ新しいものは作り出せない。
仮面ライダーウルトラマンは確かに偉大な作品だけど、それを超える物語をつくろうとチャレンジする作家とそれに応える制作側がいないと、何十年後になっても、顔ぶれが変わらなくなる。

 

やや期待がもてるのは、マンガなのかな。
鬼滅の刃のような作品が誕生して、そしてちゃんと売れた。
この事実だけでも、クリエイターたちには光が差し込み、チャレンジする勇気をもらえたんじゃないだろうか。

 

自分もあと何年生きられるかわからないけど、新しくて楽しい作品をたくさん観てから死にたいよね。