ブログ版 空冷Zとの戦い

Kawasaki Z1Rに関するブログ?

ロボット⑤

何故、この2作品をあげたのかというと、ロボットの設定が優れているからではありません。
ロボットを登場させなければならないのかという世界観と、必然性に説得力があるためです。

そして、2作品に共通しているのが、現実世界を超越していることです。
例えば、ガンダムは近未来の地球が舞台で、連邦政府とその政策に反対する国家との戦争を描いた物語です。
ガンダムが登場するかは別として、アメリカを中心とする資本主義・民主主義と、反米イスラム原理主義者たちとの戦いにも似ており、現実味を帯びています。
ガンダムが登場しなくても、アムロは戦闘機乗りとして大成して、シャアと雌雄を決したのではないかと思います。

しかし、ファイブスター物語における戦争は、中世の戦国時代と同じです。ほとんどの国が専制君主制の国家で、戦闘人間たちは国家に騎士として仕えています。戦争となれば「全権代理人」として、他国の騎士と戦います。モーター・ヘッドは、ガンダムのように巨大ですが、彼ら騎士の鎧や刀として機能します。
もともと、舞台が他の宇宙で、地球のように人が住める星もいくつかあるうえに、魔法使いや神様も登場しますから、SFではなくファンタジーかもしれません。ですから「昔からロボットで戦っている人たちです」と言われれば、そうですかと認めざるを得ません。

エヴァンゲリオンについても、舞台こそ地球の近未来(2014年ごろ)ではありますが、今の我々には「近い将来、どこからともなく巨大怪獣がやってくる」という意識はありません。
ですから「怪獣をやっつけるために、エヴァが必要なのです」という設定が大前提であれば、そういう世界なのだと思うしかないのです。

もうひとつ、上手な作品があります。
機動警察パトレイバーという作品です。東京湾の埋め立て土木事業のために開発された作業用ロボット「レイバー」、そして増えつつあるレイバー犯罪に対抗するため、警視庁が創設した特殊車輌課。
物語は特殊車輌課(1課、2課)に勤務する警察官たちを中心に進んでいきます。
土木工事用にロボットが必要なのかどうか、あるいは重機がロボットに進化・発展するか、これについて個人的には非常に疑問です。ただ、兵器ではない、つまり、やたらと銃撃戦を行わないロボットとして登場し、さらにリアリティをもたせた作品としては、非常に素晴らしいといえるでしょう。


ちょっと話がそれました。
次回からは、もう一度、「パイロットが搭乗するロボットがリアルに存在できるかどうか」について検証しましょう。