ブログ版 空冷Zとの戦い

Kawasaki Z1Rに関するブログ?

ロッキー・ザ・ファイナル

実は直前作を観ていない(あらすじは知っているけど)。
ストーリーは単純。
いまやイタリア料理店の経営者として働くロッキー。
愛妻エイドリアンは、数年前に他界。
息子はサラリーマンになり、家を出ていた。

ある日、コンピュータシュミレーションによる現チャンピオンとロッキーの試合がスポーツバラエティで放映される。
それがきっかけとなったか、ロッキーは再びプロとしてリングに上がることを決意。
それに目をつけたのが、現チャンプのプロモーター。
「これは金になる」と。

破竹の勢いで勝ち進むチャンプなのだが、世論は「弱いやつとしか戦っていない」「マッチメークがおかしい」と、実力を疑問視する声も。
だからといってロートルのロッキーが現チャンピオンに勝てるわけがない・・・


あまり書くと観ていないヒトへのネタバレになるんだけど、この映画、ロッキーがリングに上がるところまでがいい。
かといって、ロッキーがリングに上がるところでエンディングになったら、なんだか別の映画になっちゃうし、そしたらスタローンがわざわざボディビルディングする意味がない。

だけど、本当にそこまでいくまでの話がいい。

レストランオーナーとして市場に買出しへ行く流れ。
裏庭にある「懸垂用」の鉄棒を軽くこなしてから行くんだけど、数回しか出来ない。
買い物のときも老眼鏡で商品や伝票を確かめる。
おじさんというより、おじいさんになったんだなあと印象付けている。

おじいさんといえば、エイドリアンの兄貴でろくでなしのポーリーも老人になっている。
妹の命日にはロッキーに「思い出の場所めぐり」に付き合わされる。
でもポーリーはロッキーに「オレはこんなことしたくない。お前にとっては素晴らしい思い出の数々なのかもしれないが、オレは最低の兄貴だった」と嘆く。
紆余曲折はあったにせよ、世界チャンプ、セレブの仲間入りしたこともあるお前には、オレの気持ちなんて分からないだろう、と。

唯一の肉親、息子ともギクシャク。
息子は割とよさげな会社にいるんだけど「親の七光り」で入社できたことを本人が一番よく分かっていて、社内でもそんな感じで扱われている。
父親へのコンプレックスは、もはや心の傷。
ロッキーがプロライセンスを再取得して、現チャンプと戦うとなったとき「恥をかくだけだ。自分も恥ずかしい。なんでこんなことするの?」と否定する。

するとロッキーがこんなことを言う。



赤ん坊のお前をここに乗せ 持ち上げて
母さんに言った 「この子は世界一の人間になる」と

お前が成長する姿を見るのが最高に幸せだった
やがてお前は独立し自力で歩み始めた

だがどこかで変わってしまった
人にバカにされても平気な人間になり下がった
自分のふがいなさを「影にかすむ」せいにした

世の中 バラ色じゃない 
油断したら どん底から抜け出せなくなる
人生ほど重いパンチはない

だが大切なのは
どんなに強く打ちのめされても
こらえて前に進み続けることだ

そうすれば勝てる 自分の価値を信じるなら パンチを恐れるな
他人を指さして 自分の弱さを そいつのせいするな

それは卑怯者のすることだ お前は違う!

たとえ何があっても 俺はお前を愛し続ける
お前は俺の息子だ 人生の かけがえのない宝だ
自分を信じなきゃ 人生じゃないぞ



と。



人生ほど重いパンチはない。





この一言は、そうだなあと誰もが思ったはず。
そして、これを言うのが、数々の死闘を繰り広げたロッキー、あるいは映画界でキャリアを積んできたスタローンだから、説得力があるんですよ。

生卵の一気飲みも。
階段を駆け上がるあのランニングも。
そして、あのアドレナリンを分泌させるBGM(もはや名曲です)も。


立ち上がる元気をくれます。
立ち向かう勇気をくれます。

こころがしんどいときにはオススメです。