ブログ版 空冷Zとの戦い

Kawasaki Z1Rに関するブログ?

石巻市 ゆう七

20年以上の付き合いがある知人が家族で経営している蕎麦屋
大通りから奥へ奥へと入った古い住宅街のこれまた年季の入った自宅を改装し、看板がなければ蕎麦屋とは分からない。
やや広い庭はよく手入れされている木々に囲まれ、なかには珍しい種類のものもある。

メニューは
「盛り蕎麦」と「鴨せいろ」のみ。
とろろや辛味だいこん、焼き鴨もオーダーできるが、基本的にはこのふたつ。
天ぷらもないし、もちろんご飯ものもない。


ここの蕎麦打ち職人というか親方とは20年来のつきあい。
接点は10代前半のホントの一瞬だったんだけど、縁あってずっとkeep in touch。


ある日、年越し蕎麦の話か、何かで「オレ、蕎麦打ちますか」といわれたんだけど、単なる話の流れだったし、スルーしてたんだよね。

住んでる場所も遠いし、オレもパタパタ忙しくてしばらく会えなくて、しばらくしたら「蕎麦屋やることにしました」ときたもんだ。
まさに驚き。

蕎麦打ちますか?は、その伏線?
どーして、また??
理由よりも何よりも、うまい蕎麦なのか?

ウルサイ、というほどではないが、蕎麦は好きな方。
しかも、食べるのは盛り蕎麦。
ざる蕎麦じゃないよ、盛り蕎麦だよ。

薬味も使わず、少しのツユがあればいい。
蕎麦の香りとか喉越しを楽しむ…そんな食べ方。
で、ついてきた薬味は蕎麦湯と一緒にいただきます。

そんな食い方だから、作り方が荒っぽいとすぐにわかる。
てんぷら蕎麦とかね、ああいうのだと他の食材で味が紛れるんだけど。
盛り蕎麦だとそうはいかない。


正直、知人が商売をやりましたというので一番困るのが「食い物屋」だ。
だって、なかなかマズいって言えないでしょ。
いや、言える人は言えるし、その方がいいんだろうけどさ。
こうみえて、オレは言えないのですよ(笑)。


で、おそるおそる食ってみたんだけど、美味い。
お世辞ではなく、オレが食ってきた蕎麦屋の中でも3本指に入るんじゃないだろうか。
逆にどうしてこんなに美味いのかが不思議なくらい。
「なんか、危ない薬でも入れてないだろうな」と冗談を言いたくなるほど、美味かった。


それから数年、店は切り盛りできる程度に繁盛している。
あちこちに宣伝しまくって、客が並んで…というのじゃなく、本当に食べたい人だけが、やってくる。
何人かお客さんを連れて行ったが、みんな美味いといってくれた。
なにかとストレスフルな仕事なので、オレなんかは「ホッと一息」するために訪れる。
ありていな表現でいえば「癒しの空間」。
時間を割いてでも、訪れる価値あり。