ブログ版 空冷Zとの戦い

Kawasaki Z1Rに関するブログ?

The North Face Cup 2017

国内最大のスポーツクライミング大会、The North Face Cup 2017に出場。
我が家のセガレ、中学校になった昨年度から、年齢の枠が外れたので、Division 3にエントリー。
うまい具合にコトが運んで、初の決勝進出、そのまま優勝。

次回からカテゴリーがアップ、Division 2の選手になったのですが、
「Division 2 はイヤだ。プロや日本代表クラスと同じカテゴリーで出場したい」
と言うので、事務局に直訴、審議の結果、Division 1 に昇格しました。

とはいえ、実際問題、どこまで勝てるか、といったら、どんなに部活やスポ少で強くても、中学生がJ1のサッカー選手、プロ野球選手に勝てないのと同様、勝てる可能性はメチャクチャ低い。
下手をすると、手も足も出ないかもしれない。
だったら、いまの体力、技術レベル、選手層がドンピシャのDivision 2 で出場した方が、地方予選で優勝できる可能性が高く、半年後の本戦でも成績を残せるかもしれない。

でも、クライミングは、スポーツ、競技である以前に、誰もが成しえなかったこと、昨日までの自分が出来なかったことに挑戦する冒険でもあるのです。
そのスピリット、冒険魂がクライマーの根幹だというならば、勝てるカテゴリーに出場するのではなく、勝ちたいカテゴリーに飛び込む。
なんだか、昭和の男のやせがまん、みたいですが(笑)。

で、どうなったかというと、成績は最下位。
日本代表、プロクライマーと一緒に戦って、最下位。
当り前ですが、彼らは本当に強かった。

Division 2の選手だって、もちろん、弱いわけじゃない。
どのクライミングジムに行っても、一番難しい課題、あるいはそのワンランク下くらいの課題を触れる位の実力は持っているはずだ。
実際、この競技に出場していなくても「きっとDivision 2 なんだろうな」という人は、どこのジムに行っても数名はいる。

しかし、Division 1 の選手は、もはや圧倒的。
普通のクライマーがよってたかって、やっと出来るような課題も、まるでウォーミング・アップのように登り切る。
呼吸一つ乱さず、汗一つかかず、である。

多分、他のスポーツを経験した人なら分かると思うけど、普通の選手が「決まるか決まらないか五分五分」というフリーキックが百発百中、ライトからキャッチャーミットに突き刺さるようなバックホーム、相手がピクリとも動けなくなるようなサービス・エース…

そういう選手たちを相手に、万が一でも勝てる、と思えないのと同じように、Division 1 は、次元が違う。
食中毒で下痢して、飲んだ薬間違って、フラフラになって、意識も朦朧としてたら勝てるかもしれないけど(笑)。
1対10じゃない、0対10。
ゼロは、いくらかけてもゼロ、みたいな、そんな感じでした。

そういう選手を相手に戦うだけでもすごかったのですが、何とか、一矢報いたい、観客を沸かせたい。
と心に決めて撃ったのが、このトライ(6:50)。



自分のスタイルにこだわり、完登した瞬間、会場が大きな声援で包まれました。
試合が始まる前は、1つも登れないんじゃないかと思いましたが、3位と2完登差で競技終了。
成績は芳しくありませんでしたが、次への可能性を大いに秘めた試合だったと思いました。

3月の本戦に進む選手の皆さん、全国各地で予選を控えた皆さん、表彰台の一番上を目指して、がんばってください!!