ブログ版 空冷Zとの戦い

Kawasaki Z1Rに関するブログ?

Selfish charity

語るべきことは、あまり多くないかもしれない。
これらの写真にしても「津波以前はこんなんじゃなくて、こうでした」とお話しても、どれだけ伝わるか分からない。
ただ、ただ凄惨。
どういう言葉を使えば、それが伝わるのだろう。
物書きを生業としていた人間が、職務を放棄するような物言いで申し訳ないのだが。
それでも、ここは塩釜・多賀城・仙台の辺りだから、まだ建物も残っている。
これが、石巻市南三陸町へ行けば、本当に焼け野原のようである。
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戦地へ赴いた経験のあるジャーナリストが「戦争によって破壊された街よりも酷い」と言ったらしいけど、オーバーではない。
戦略兵器を無差別に使用しない限り(つまり、しないのだが)、現代の戦争では、あそこまで無慈悲に破壊することはない。
病院だろうが、学校だろうが、保育園だろうが、一生懸命生きてきた人がいようが、か弱い人がいようが、一切の躊躇もなく命を財産を奪い去った。
芽吹こうとする夢も、やっと実を結んだ希望さえ平等に粉砕した。

そのなかで救いだったのが、直接知る人が、亡くなっていないこと。
すごく、自己中心的な物言いではあるが、それが本音だ。
家が木端微塵になったヤツも生きていた。
仕事中に職場に水が流れ込んで屋上で一晩過ごしたヤツもいた。
津波から、逃げて、逃げて、逃げまくって、とうとう逃げ場を失ってアパートの上に登ったヤツ。
それでも、みんな生きていた。
近しい親戚縁者は、みな助かった(親戚の親戚は、なくなった人も大勢いる)。
顔と名前が一致して、携帯に連絡先が入っているような人たちは、無事だった。

本当に運がいい。
それだけでも、運がいい。

だけど、本当の戦いや苦悩はここから始まる。
顧客や仕事を失った経営者や労働者は、決して少なくない。
形式上は経営者のワタクシも、震災で収入の90%が失われた一人ではあるだが…

どうやって、生きていけばいいのか、途方に暮れている人々もいる。
ワタクシの周りにも「勤務先の片づけが一段落したら、この先、どうなるのか分からない」とこぼすヤツもいる。
三陸水産加工業の経営者は、今後、どうやって工場を、経営を立て直すのだろうか。
豊かな海で育つ、ノリ、ワカメ、ホタテ、そしてカキは、いつ食べられるのだろうか。

福島県産の農産物が出荷停止となり、農家の方が自ら命を絶った。
親族が「原発に殺された」と悲しみと怒りを吐露していた。
「これは、電力のユーザーである、オレたちに向けられたものだよな」と、受け止めた人はどれくらいいただろう。
こういうことを書くと、福島だって、原発のおかげで、潤ってきたじゃないかという人間もいるだろう。
が、万が一、原発に何かあった時のリスクまでは含まれていないだろうし、もし、そういうことも含まれているなら、東京電力が全て損失補てんするのが筋である。


被災地ではなくても、その余波は大きい。
箱根の温泉街でも宿泊のキャンセル、ロマンスカーの運休などで、閑古鳥が鳴いている。
予定していたイベントが開催できずに、福岡の会社が倒産した。

もう一度いうと、本当の戦いはここから始まる。
いろいろ考えると、立っているのさえやっと、という人が大勢いる。
想像できないなら、突然、数千万円から億単位の借金を背負わされたうえ、無職になった。
返済の見通しも立たないまま、毎月、家族を養うための生活費が必要になったと思えばいい。

ロスタートではない。
マイナスからのスタートなのだ。

精神的に不安定になる。
数多くの支援や応援も、耳に届かない。

そんななかで、自分が出来ることは何なのだろう。
実は、国内外から「Takedaもこれから、大変だね」と、ずいぶん沢山のお見舞金を頂いた。
被災地の真っ只中ともいえる実家も、これといってダメージはなく(もしかしたら、あとイッパツ大きいのが来たら倒壊するかもしれないけど)、アパートも無傷。
一族郎党、みな無事である。
生活費として遣わせてもらえたら、嬉しいことこのうえないのだが、そういう人間が遣うお金でもないと思う。

というわけで、被災者に役立ててもらうことにしました。
特に、子供たちね。
子供たちに役立つものを買うなり、何なりして、どうにかしてそこへ届けようかと。
子供たちが喜んでくれれば、あるいは、子供たちの事を気にする必要がなくなれば、大人たちも安心して本来の復興に向けた仕事が出来る。

慈善活動なんて、かっこいいことは言わない。
はやく地元の連中に頑張ってもらって稼いでもらわないと、法人顧客をメシのタネにしているワタクシとしても、売上にならないから。
また、海沿いのワインディングをツーリングして、その途中に美味い魚を食べたいから。

やるべきことと、やりたいことが一致したとき、世界の声が聞こえると「スタードライバー」のツナシ・タクトは言っていたが、こういうことかもしれないなあ。
まず、どれだけ、力になれるか分からないが、頑張ってみるべ。

ちなみに、下の写真は、うちの近所の公園がゴミ捨て場になった処。
「これ、絶対に震災で壊れたものじゃないよな」というものまであるが、考えようによっては不法投棄よりマシなのかもしれない。まあ、これで要らないモノ捨てて、いろいろ買って下さい。
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そして、うちの実家から自転車で10分くらいのところ