http://blogs.yahoo.co.jp/z1r2takeda/65403278.html
1997年、オーストラリアをZ1Rで放浪していた時、出会ったZライダー、マット・アームストロング。
帰国後も彼とは付き合いが続いていた。
そして、今年の冬、マットから「日本へ行くことにした」というメッセージが。
「いつ頃、日本に来るの?」
「夏を考えている。で、Takeda(ホントは下の名前で呼ばれているけど、ここでは非公開なので苗字表記で)もよければ、一緒に鈴鹿へ行かないか?」
「もしかして、8耐?」
「そう、8耐にバイクで行こうと思って。一緒に行かないか?日本のあちこちをツーリングしながらさ」
二つ返事で「行く」と言いそうになったが、さすがに長い休みは取れない。
それに、この時期は、県下の代表選手やユース選手が公式戦を控えているので、引率やら指導やらが入る時期。
「それは残念だ。TakedaのZ1Rで走りたかったんだが…」
「なら、乗っていきなよ」
「ホント?つまり、Zで遠出してもいいってこと?」
「もちろん、マットなら大丈夫でしょ」
「よーし、じゃあ、計画を進めようじゃないか!」
ここから、我々は週に1回くらいの頻度でメッセージを交わし、準備を始めた。
準備といっても、こちらは受入れる側なので、やるべきことはシンプル。
「Z1Rをロングツーリングに耐えられるよう整備する」
これだけ。
昨年の夏に充電系も直しており、せいぜいオイル交換するくらいでいいんじゃいの?
ちょろいもんだ。
と思ったら、全くそんなことはなかった。
寒さも和らいだ4月、エンジンをかけてみたら、何とキャブからオーバーフロー。
いつもは、数キロも走れば直るのだが、今回は改善の兆候なし。
なので、直しました。
修理ではないけど、マットから高速道路の支払方法について質問が。
クレジットカードでもいいんだろうけど、チケットを受け取って出口で払うJH系の道路と先払いの首都高、阪神高速は勝手が違う。
何かあった時、もぎりの人…もとい係員の方とちゃんと会話できるかどうか…
それに何より、車では年間25,000km以上走るワタクシですもの、シームレスの便利さは良く分かっております。
なので、ETCも着けました。
ちょっと不安なのがリアの足回り。
ほとんど乗っていないとはいえ、10年物のチェーン・スプロケは換えた方がベター。
せっかくなので、PAMSでリリースしている520サイズにコンバート。
同時にブレーキキャリパーもOH…のつもりが、何とブリーダーのニップルをへし折ってしまう。
マットが来るまで一週間足らず。
どうしよう、とバタバタしていたが、お隣、山形県のZ魔人のお陰さまで新しいキャリパーを入手。
スズキがメインだけど、快く、しかも急ぎの修理に対応してくれたSBSみやぎのさんにも大感謝。
バイクも間に合って、仙台駅にマット氏を迎えに行くも、なかなか現れない。
もしかして、出口を間違えた?
あっちこっち探していると、別のエントランス付近に、明らかにサイズ感が違う大男が立っていた。
「やあ、マット!」
「おー!」
何年ぶり?
7年ぶり?
「なんだ、髪の毛真っ白になっちゃったじゃないか!」
「マットも随分太ったね!」
お互いの姿に、二人とも大笑い。
駅の近くでランチを済ませ、我が家の青空ガレージへ。
そして、ついにZと御対面。
「おー懐かしい!」
「とりあえず、その辺を走ってみる?」
と、その前に、追加装備。
DC12VとUSB充電ポートを取り付け。
こんな感じで配線とマウントを取り付け。
いまや小学生ですら持っているスマホがナビ代わり。
Google先生は、知りたいことも行きたい場所も何でも教えてくれるんだから。
時代は変わりましたね~
動作確認の後、日本の道路事情に慣れてもらうため、練習走行。
バックミラーに自分のバイクが映る不思議さを感じながら、マットを誘導、軽く流して道のどん詰まりに。
「悪くない。ちょっとアクセルの戻りが悪いけどTMってそんなものだから」
と気にする素振りはない。
来た道を戻るのは芸がないので、幹線道路を何本か走りながら帰路についた。
夜は塩釜の寿司屋へ。
親方が「せっかく来たんだから、こっちの味も楽しんでよ」とホヤ刺しをサービスしてくれた。
日本人だって食べられないのに…
「日本に来たんだから、何でも食べてみないと」
とチャレンジ。
「無理だったら、食べなくてもいいからね」
が、我々の心配をよそに、マットはホヤを感触。
「うーむ、海の味がするねえ」
分かっていらっしゃる!
翌日は、テスト走行を兼ねたプチツーリング。
Zが本当に長距離ライディングに耐えられるのか、そして並走するDT125Rだって街乗りだのチョイ乗りでは使っていたことがある程度。
蔵王は観光地でもあるが、古くからバイク乗り達が集まるワインディングロードとしても知られている。
走っていても楽しいに決まっている…が、気温差、高低差が激しい場所を走り抜けた場合、Zがどうなるか知って欲しかったのだ。
村田のレストエリアでトイレ休憩など。
山形側は晴天だったけど…
宮城側は霧が凄かった!
とりあえず、もう少し走ろうかと思ったが、レンタルしたポケットWi-fiに異変。
スイッチがオンにならず、チャージも出来ない。
これがないと、スマホもナビ代わりにならないので、とりあえず、昼飯の後、帰宅することに。
昼ごはんは、自称チーズ好きのマットのために蔵王チーズ工場へ。
真夏にチーズフォンデュ(笑)。
なかなか美味しゅうございました。
帰りは、同じ道を走ってもつまらないので、釜房ダムを経由して帰宅。
おそらく、振動で外れたのだろう。
まずは、ひと安心。
夜は仙台名物牛タン。
何だかベタベタな感じだけど、明日からロングツーリングだし、あまり遅くまで連れ回したらしんどいでしょう、ということでマットが滞在するホテル向かいのレストランへ。
そして、翌日、マットは旅立ちました…
Ride to Live
Live to Ride
続く